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ものづくりのモノ語り

金沢のごはんのうつわができるまで

「古き良きもの」と「新しいもの」

金沢のごはんのうつわ

偶然のような流れでたどり着いた金沢でのものづくり。

魅力的で美しい伝統が息づく金沢で、I AM A CATのごはんのうつわとその土台の桐鉢に出会うまでのストーリーをご紹介します。

偶然のようにやってきた必然の出会い
金沢での「ものづくり」

2023年3月、I AM A CATをオープンしてからずっと「ごはんのうつわ」の制作をお願いできる場を探していた私は、一瞬、あるサイトの景色に釘付けになり、次の瞬間にはお問い合わせフォームに名前を打ち込んでいました。

石川県の金沢市、有名な兼六園からもほど近い場所にある、加賀百万石藩老本多安房守の下屋敷跡庭園内に陶芸工房を構える「北陶」さん。

写真を見た瞬間に、ここへ行ってみたい、ここでI AM A CATのうつわを作りたい!と思いました。
ありがたいことに北陶の代表である飯田さんが早々にご連絡をくださり、前向きなお返事をいただくことができたため、さっそくスケジュールを組み、すぐに新幹線を手配しました。

 

 
金沢行きが決まってから、ごはんのうつわと並行して「ごはんのうつわの土台」として仕入れていた古道具の小さな桐火鉢も探していた私は、桐火鉢について色々と調べるうちに、それが金沢の桐工芸品だということを知り、「これも金沢!」と、大変驚きました。

単純に私に知識がなかっただけと言えばそれまでですが、私にとっては偶然の金沢一致。

小さいサイズの桐火鉢について検索していたところ、北陶さんと同じ金沢市内で桐工芸品を制作されている「岩本清商店」さんへとたどり着き、興奮気味でお問い合わせをしたところ、お話をさせていただけるということで、北陶さんとのお打ち合わせの前にお店へ伺う約束をして、満を持してドキドキしながら初の石川県金沢へと出発したのでした。


 「岩本清商店」さんは、創業1913年の伝統ある金沢桐工芸の品々を製作している老舗店で、そんな伝統工芸品を製作する職人さんに、「ねこのごはんのうつわの土台」の製作をご依頼するのは、なかなかに勇気が必要でした。

 
まだ夏のような暑さが続く9月の後半、汗だくになりながら徒歩でお店を訪ねた私は、緊張も相まって口がカラッカラ。メールで対応くださっていた岩本さんにご挨拶をしてから、さっそく本題について下手くそな説明をしていると、途中、岩本さんがお店の裏の方へ行き、しばらくして戻られると、その手にはなんと私が探していた小さいサイズの桐鉢が

まさかこんなにも早く探していたものに出会えるとは夢にも思っていなかったため、大興奮でした。





私の探していた小さいサイズの桐鉢は、もとは桐灰皿として製作されたもので、灰皿が使われなくなってきた今は倉庫に眠っていたということでした。これにはもう猫神様のお導きとしか思えませんでした。

この桐灰皿に加工を施して、ごはんのうつわの土台としてご用意いただけることとなり、その場で桐灰皿のサンプルをお譲りいただき、その「ごはんのうつわの土台」を持って、信じられない気持ちで北陶さんへ向かうのでした。

なんとも導かれたとしか思えない流れで、これが金沢でのものづくりが偶然ではなく必然だと勝手に思った理由でした。

 

杜の中の陶芸工房「北陶」

「兼六園」の手本になったともいわれる、金沢の加賀百万石藩老本多安房守の下屋敷跡庭園内にある築300年以上経った「刀蔵」を改装した建物に陶芸工房を構える「北陶」さん。
その庭園と建物は、街の中心部にあるとは思えないほど、突然現れる杜の中に佇んでいて、足を踏み入れた瞬間、本当にそこだけ時間が止まったかのような静けさと、ひんやりと心地よい空気に包まれていて、季節も時代もそこだけ違うような感覚になりました。
石畳を歩きながら左には大きな池があり、サイトで釘付けとなった景色が目の前に広がっていて、ただただ感動でした。




明るい笑顔で迎えてくださった代表の飯田さんは、10代の頃から陶芸の道に入り、海外でも多くの経験を積まれ、様々な賞も受賞されていますが、素人の私の話にも丁寧に耳を傾けて意図を汲み取ってくださり、ごはんのうつわの製作にとても熱心に取り組んでくださいました。

ごはんのうつわの形が決まるまで、たくさんの試作を重ねてくださって、そのサンプル品は驚くほどの数でした。
その中からさらに調整を重ね、メールやお電話でもやり取りを交わしながら、ごはんのうつわの製作は進んでいきました。

そして2023
12月、メールで「良いお年を」と年末のご挨拶をした、その数日後の元旦に石川県で大きな地震が発生しました。



まさか元旦に。こんなことが。
元旦にテレビで流れる映像にただただ心を痛めることしかできず、改めて日常こそ奇跡なのだと実感しながら、北陶の飯田さんや岩本清商店の岩本さんやそのご家族の安否が心配でなりませんでした。

ただ、こんな時だからこそ、こちらからご連絡することは憚られ、ただただ待つことしかできませんでした。
岩田清商店さんのInstagramでみなさんがご無事だと知り安堵し、その後、北陶の飯田さんも大変な中ご連絡をいただき、皆さま無事だったこと、工房に展示していた作品の多くが地震で割れてしまったことや知人やお仕事仲間が被災され、心を痛めているとご連絡いただきました。

そして、まだまだ余震などで大変なさなか、I AM A CATのごはんのうつわの製作に取り掛かってくださいました。

  

「古き良きもの」と「新しいもの」

こうして、たくさんの方々のご協力のもと、魅力的で美しい伝統が息づく金沢でI AM A CATの「金沢のごはんのうつわ」が完成しました。

日本の手作りでの「ものづくり」の良さを、ご縁をいただいた金沢の地で改めて感じることができました。そして、改めて自分は「古き良きもの」と「新しいもの」の組み合わせが好きだなぁと感じました。

すべての人に感謝を込めて、まずはヴィンテージ糸巻き×北陶さんのごはんのうつわ、そして、岩本清商店さんの桐鉢×北陶さんのごはんのうつわの金沢愛の詰まった商品をお届けします。
そして現在進行中の商品もまだまだ…

今後も金沢から素敵な商品をお届けしていく予定です。

 


最後に、この度の令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
微力ではありますが、今回販売する金沢で制作した商品の収益の一部は、能登半島地震の復興支援として寄付いたします。
被害を受けられた皆様の安全と1日でも早く平穏な生活に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。



北陶

「兼六園」の手本ともなったといわれる、金沢の加賀百万石藩老本多安房守の下屋敷跡庭園内にある築300年以上経った「刀蔵」を改装した建物に陶芸工房を構える

作家 飯田 倫久
1972 年 石川県金沢市生まれ
1991 年 石川県立工業高等学校工芸科卒
同年、父、飯田雪峰のもと北陶へ陶芸の道に入る
1998 年 フランス、イタリア、スペインにて美術研修
イタリア・ファエンツァにて滞在し作陶。

受賞暦
1999世界工芸コンペティション グランプリ受賞
世界工芸コンペティション金沢 2015茶の時空間 伝統創意賞
第41回日本現代工芸展 本会員賞
第60、62回石川現代美術展 最高賞
第一回兼六園茶会工芸展 最高賞
他、受賞暦多数
アメリカ、中国・上海、日本にて個展、展示。



岩本清商店

創業1913年、金沢伝統工芸の桐火鉢や桐工芸品を作り続けている老舗店。桐火鉢の他にも大人気の「ちょこっとトレー」やコーヒーアイテムなども制作

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