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自然に包まれて暮らす
しあわせな家族のかたち

彫刻家

西村大喜さん

のる(白サバ♀)

ねる(白キジ♀)

「テーブルに猫」第2回にご登場いただくのは、栃木県に築130年の古民家を自ら改装したアトリエを構え活動をされている彫刻家の西村大喜さん。ご縁あってお迎えした保護猫姉妹の"のるさん”と"ねるさん”。豊かな自然の中で暮らす、家族3人愛にあふれた日々についてお話を伺いました。

手の中にすっぽりおさまる
ふたつのいのち
何より大事な小さないのち

どきどきワクワク
はじめての、ちいさなちいさな女の子

のびのびスヤスヤ
ぐんぐん元気に大きくなぁれ

ときどきケンカもするけど
ほんとのほんとはなかよし大好き

いつもおそろいバンザイポーズ
ぷにぷに桃色しあわせお手々

吾が猫プロフィール帖

どこにでも乗ることから命名

のる(♀)

2020年8月生まれ
栃木県矢板市
猫種/白サバ
愛称/のるさん
吾が猫記念日
2020/09/18
好きなもの/ハマっていること
肩に乗ること、ジョギング、ボルダリング、ガサガサするもの、小鳥、YouTube、ディナータイム、竹の枝、作業着、自分のしっぽ
性格/チャームポイント
キレイ好き、世話好き、自分が港区女子だと思っている、古代エジプト彫刻のような神々しいフォルム、宝石のような瞳、長いしっぽ、しなやかな毛並み

どこでも寝ることから命名

ねる(♀)

2020年8月生まれ
栃木県矢板市
猫種/白キジ
愛称/ねるさん
吾が猫記念日
2020/09/18
好きなもの/ハマっていること
かごで寝ること、靴下移動選手権、星空に願いごと、私の手を吸うこと(手からミルクが出ると思い込んでいる)、猫じゃらし、木の匂い、日向ぼっこ、麻紐、のるのしっぽ、竹の葉
性格/チャームポイント
マイペース、おっとり、自分が赤ちゃんだと思っている、いつになっても幼児体型なフォルム、左右非対称なハチワレ、手首のハート、ふわっふわの毛

西村大喜さんの 吾が猫記録帖インタビュー


栃木県大田原市の市街地から少し離れた自然豊かな場所に、築130年の古民家を自ら改装したアトリエを構え活動をされている彫刻家の西村大喜さん。
石の彫刻家として様々な賞を受賞されている西村さんは、少子高齢化により日本で問題となっている放置竹林の解決にも取り組んでおり、現在は竹を使ったアート作品も手掛けていらっしゃいます。
そんな西村さんが、ご縁あってお迎えした保護猫姉妹の"のるさん”と"ねるさん”。姉妹との出会いから現在までの暮らしや変化についてお話を伺いました。


竹を使ったアート作品

猫との出会い、
いのちと向き合う覚悟

のるさんねるさんとはどのようにして出会ったのですか?

3歳の頃に野良猫を保護してからは、ずっと猫のいる生活をしてきましたが、23歳くらいから35歳までは、全く猫のいない時間を過ごしてきました。
過去の経験から、猫は自分から飼うものではなく「出逢い」だと思っていました。
知り合いの画家さんが契約をしていたギャラリーの方が保護猫活動をされていて、ある日、「猫飼わない?」とお声がけいただきました。2匹揃って引き取ってくれる方限定で里親さんを探していて、最初は責任をもって育てられる自信がなかったのでお断りしていたのですが、やはりどうしても引き取り手が見つからなくて…。
悩みながらも思い切って自分が育てることにしました。






子猫から育てるのが小学生ぶりだったのと、いままでは男の子が多かったので、初の女の子にはドキドキしましたね笑
本っ当に可愛くて、無限に猫たちの動画や写真を撮ってしまうので、仕事でとっさに「こういう作品事例がありますよ」ってお見せしたいのに容量オーバーで見せられないこともありました笑

ねるさんは、どんなときでもお腹を見せちゃう人見知りしない子で、自分のことを赤ちゃんだと思ってますね。
寝るときはずっと手をチュッチュしてきます。

のるさんはちょっと警戒心が強いので、色んなところを探検して悪いやつおらんかなって確認しないと不安になるタイプ。自分のことは港区女子だと思っていて、あんまり赤ちゃんぽく扱うと嫌がります笑

猫たちの意見を取り入れた、
愛情たっぷり手作りキャットラン

ご自身でこのキャットランエリアを作られたとお聞きしました

キャットランを建てられるよう、まず土を掘って、盛土をしたりと土台作りからスタートしました。

猫たちに対して「あかんよ!」ってあまり言いたくなくて、できるだけ「いいよ」を増やしてあげたいので、ここだったら自由にしていいよって伝えています。
キャットランエリアは、猫たちのリクエストを存分に取り入れていて、ステージ(アスレチック階段の踊り場)は「どの角度がいい〜?」ってお伺いを立てて、角度を調整してみたりしています笑

お家から延びるトンネルの先にはお手製キャットラン!


のるさんが「おトイレ前ハイ」でめちゃくちゃ走るのですが、「狭くて走れない!」みたいな顔をしてくるので、さらに拡張したほうがいいのかなって思っています笑
おふたりとも、もう少し日当たりの良いところがいいとおっしゃっているので、短期的目標はもう一つ囲いをつくってトンネルで繋げて拡張しつつ、ゆくゆくは下の畑に「ねこねこランド」を作りたいと思っています笑


こちらの2つ並んだ階段付きトンネルハウスも手作りでしょうか?!

これは「味集中カウンター」と言いまして、お隣のごはんまで食べないように考えて作ったものです。
ねるがすごくマイペースで食べるのが遅く、のるがねるの分までごはんを食べてしまうので、二人の成長スピードに差がでてしまい心配になって制作した経緯があります。成長期限定で使用していました。
おかげで、ねるも成長が追いつき、大活躍してくれてひと安心しました笑

猫との会話があふれる、
しあわせに感謝する日々

のるさんねるさんと一緒に暮らす「前」と「後」で変わったことはありますか?

よう喋るようになったかな笑
今でも、自分が面倒みていいのかなと自問自答をしていて、「いま幸せ?どう?うちでよかった?」など、ものすごく話しかけてます笑
仕事の合間にふたりがいるキャットランに行って「楽しんでる〜?」って声をかけたり笑

猫と生活をしていると少年時代に戻る感じで、草刈りでバッタを見つけたら、「バッタみつけた〜!」ってふたりのところに持っていったりと、常にコミュニケーションをとっています笑
人に聞かれていたら恥ずかしなと思いますけど笑



ねこちゃんたちも、すごくおしゃべりする子たちですよね!

動物病院の待合室でもずっと話しかけてくるので、ぜんぶ「はーい」って返事してて笑
みんなにジロジロ見られるんですけど、きっと気持ちは分かってくれてるだろうと…笑

自分にとっての幸福感の追求というところも人生において大事なんだなと、猫たちと暮らしはじめて改めて色々考えるきっかけになりましたね。
いままで無我夢中で作品を作ってきて、でもなかなか作品が売れない時代も長くて仕事のことばかり考えてきたけど、自分も幸せになっていいんだな、幸せだな〜と笑
いつも「ありがとう、ありがとう」と声をかけています。


お父さんは心配症

仕事で外出するときは、ふたりのことを心配してしまいますね…。
1週間くらいの長期の仕事も、東京だったら新幹線で毎日帰ります笑

田舎暮らしはメンタルがすごくタフじゃないとできないと言われていて、これまで自分はメンタルタフおばけ的な扱いをされてきたのですが、猫に関しては精神が不安定になって、周りのみんなには信じられないって言われています笑
それくらいふたりといる時間が幸せだということですね。

トムとジェリーの動画が大好きな美人姉妹

しあわせの恩返し
猫がリラックスできる
彫刻をつくりたい

自分は猫たちと暮らせてすごく幸せだけど、ふたりは幸せなのか日々確認しています。
猫がいなかったら、それはそれで自分の幸せだったんだろうけど、猫がいることが当たり前になったら、もうそれ以外は考えられない。

アート作品に溶け込むのるさん

田舎なので、やはり自宅・アトリエの周辺も野良猫さんがすごく多くて、たまにお亡くなりになられている猫を見かけたりして悲しくなりますね…。

猫に恩返しせんと!と、色々やる前に、まずはこのふたりが一番大事で幸せにしないとなんですけど、自分も何かできたらと考えたときに、やはり「ものづくり」しかないと思いました。

今後は、猫がリラックスできる彫刻や空間作りも考えていけたらと思っています。猫が手を入れて遊べる空洞のある彫刻や、寝そべったりできる彫刻など色々考えていきたいです。
ふたりが大好きな竹の猫じゃらしも、趣味の中で研究していきたいと思っています笑

最後に、これから保護猫をお迎えする方や猫との生活を検討している方へメッセージをお願いします!

逆に注意喚起というか、友達と「飲もう!」ってなったときに、「いや、僕猫がいるんで帰ります」みたいなノリの悪い人間になる現象はあるので、人によってはご注意いただきたいですね笑

僕本当にひどいんで、ヒステリックみたいになって笑
「もうほんとに帰りたいんで勘弁して!」ってなって、帰りの車もベタ踏みで帰ってます笑
こんな心配して帰ってきても、ふたりはぐっすり寝ていて「なんで起こすんだよ」みたいな顔をされたりしますが笑
それもまた、幸せです。

 

猫たちといっぱい話をすると仰っていた西村さんですが、私がこれまで出会った猫ちゃんたちの中でも、のるさんねるさんはダントツでおしゃべりな猫ちゃんたちでした笑

常に「にゃーーっ!」「にゃっ」「にゃぁ〜ん!」など色々な声で話しかけている姉妹と、その声すべてに「は〜い」と返事をしている西村さんを見て、なんという相思相愛!と羨ましく感じました。
ご自身では、「自分は幸せだけど、ふたりはウチの子になってよかったのか、常に自問自答している」とお話してされていましたが、まさに答えは目の前に。
鳥と虫の声、そして風の音だけが聞こえる自然のなか、家族3人あたたかく幸せな時が流れていました。

心配性なお父さんの苦悩は今後も続くかもしれませんが笑
娘さんたちの表情や行動から溢れ出る「ここにいる幸せ」という愛のお返事を全力で受け取って、これからも楽しく賑やかに過ごしていく「3人家族」をファンとして陰ながら応援していきたいと思います。

 

現在、日本で少子高齢化による放置竹林が問題となっており、その課題解決にアート活動で取り組んでいる西村さん。
恥ずかしながら、「放置竹林問題」については、今回教えていただき初めて知りました。
竹を使ったアート作品のほか、「Soeru」と題した竹の一輪挿しインテリアも制作・販売されています。

常に社会貢献を視野に入れ、「人を笑顔にするものづくり」をされている西村さんの心を動かす作品の数々を、是非ご覧ください。

西村大喜

西村大喜

彫刻家/兵庫県宝塚市出身

石彫大成浩氏の作品に感銘を受け彫刻家を志し、宝塚造形芸術大学、国立鳴門教育大学大学院にて石彫を学ぶ。

2011年より大成浩氏のアトリエでアシスタントとして従事し、2016年より栃木県大田原市芸術文化研究所にて研究員を務める。2019年に栃木県大田原市に所在する築130年の古民家を自ら改装し、あとりえ・あほうとをオープン。

現在は、従来から研究し続ける石彫作品の制作と共に、竹材を活用した彫刻作品などを軸とし、幅広く制作活動中。



Atelier Ahought | あとりえ あほうと

https://ahought.com/

nishimura.daiki.ahought

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